2020
05.07

水分をコントロール

中医薬

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●苓朮剤(りゅうじゅつざい)、利水剤(りすいざい)

苓朮剤は茯苓、猪苓、沢瀉、朮(白朮、蒼朮)などの利水薬を中心に構成される利水剤である。漢方では、体をめぐる水のアンバランスを病気の背景に存在する重要な因子として捉えている。水が体全体をうまく循環できず水が停滞した状態を水滞(水毒)と呼び、浮腫、口渇、鼻汁、痰、頭痛、めまい、動悸、嘔吐、胃部振水音、尿量減少(小便不利)、多尿(小便自利)、下痢、関節痛、全身倦怠などのさまざまな症候と関係する。脾胃の減退は水分の吸収低下を招き、消化管内の余分な水分貯留による嘔吐、胃部振水音、下痢、さらに体内の水分不足による口渇や尿量減少などの典型的な水滞の症状があらわれる。水分の代謝・排泄に深く関わる腎と肺(五臓)の働きが低下することで、血管や組織における水部の停滞や偏在が起き、浮腫、関節痛、尿量異常などの症状を示す。これら水滞の改善に用いられる利水剤は、利尿剤(尿細管からの再吸収を阻害し、体の水分量の多少に関わらず尿量を増やす)と異なり、水分の足りないところには供給し、多すぎるところからは利尿によって排除する特徴をもつ。

・茯苓飲(ぶくりょういん)

・五苓散(ごれいさん)

・猪苓湯(ちょれいとう)

・五淋散(ごりんさん)

・五積散(ごしゃくさん)

・胃苓湯(いれいとう)

・啓脾湯(けいひとう)

・真武湯(しんぶとう)

・治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)

・小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)

・二朮湯(にじゅつとう)

・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)20

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